2024/10/27 Sun
the-clo.com Ohyama wrote
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小田原の南西に位置する旧東海道に古民家を改修した如春園(じょしゅんえん)がある。小田原周辺で茶畑を運営しつつ、ランチにはスパイスカレーを提供する。
国道一号線、東海道本線の高架下をくぐり、旧東海道に入る。この一帯は昔ながらの民家が立ち並び、市によって管理されている歴史的な住宅も点在する。
旧東海道を眺めると、奥には何やら小高い丘陵が見受けられる。どうやら富士山陣場らしい。もともとは北条氏の外郭を守る砦であったそうだが、豊臣秀吉の小田原北条攻めのときに陣所とされた。
そんな歴史的な風情が漂う一角に豆腐屋を改装して、内部には茶加工所を備える如春園(じょしゅんえん)がある。お店に入ると地元の根強いファンが席をうめる。古民家のぬくもりとスパイスの香りが充満する。
チキンカレー。ココナッツとクローブが香るカレーに、スパイスが効いた付け合わせが5種。鶏肉のうまみがしみ込んだカレーと固めのお米が絶妙な組み合わせ、さらにはそれぞれ際立ったキャラクターの付け合わせにより、カレーのうまみが増幅される。
食後にはほうじ茶バスクケーキとこゆるぎ紅茶(こゆるぎは小田原周辺の旧名称)を頂く。
ほうじ茶をつかった甘味は富士宮でほうじ茶ジェラートを食べて以来、癖になっている。ほうじ茶の香りとチーズの甘味が響くバスクチーズケーキは、ぜひ食後に食べてほしい一品である。そしてこゆるぎ紅茶はダージリンのような正統派の紅茶。飲むごとに奥深くどこかエキゾチックな香りを呈している。カレー、バスクチーズケーキと続く料理の締めにこれ以上ふさわしい存在はないだろう。