2023/07/23 Sun
FUSEKIDO Ohyama wrote
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前回までのあらすじキッチンカー楓赤堂が営業開始するまでのあらすじ。学生時代に新しいものをつくる楽しさを経験したおおやまは、与えられたことを着実にこなすことが求められる社会人生活に充実感を得られながらも、なにかまた新しいことにチャレンジしたいと思うのであった。
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ハンバーガーのキッチンカーをはじめよう。まずは退路を断つ
物事をはじめるとき、あれこれ考えるケースと、まずはやってみるケースがある。
例えば運動不足だから、ジムに通いたい。と思ったとする。
その場合月々いくらかかって、いつにジムにいくのか、ジムではどんな運動ができて、会社から近いところか、自宅から近いところかなど、いろんなことが考えられる。
特に社会人になってからというもの、こうした石橋をたたいて渡るような思考に陥りがちのように思える。
会社では少々高額なもの、例えばデジカメを業務でしようするために購入するのにも、何に使うのか、保管場所はどこか、誰が管理するのか、どこで買うのかなどを明確にして、決裁者に報告しようやく手元にデジカメが届く。
個人でジムに通うかを検討する、会社でデジカメを買う。どちらもお金がかかることであり、必要性を検討する中で、「やっぱり不要なのではないか」との結論に至ることも多々ある。
支出を増やすことは、収入を増やすことよりもはるかに容易である。こうした支出を増やそうとする前の検討作業というのは、無尽蔵に増えうる支出の歯止めをかける上では、効果的である。
キッチンカーをはじめる。それの歯止めをかけるためにはいろんな理由が立つだろう。
土日しか営業できない、キッチンカーを作るのにはいくら費用がかかるのか、免許は必要ないのか、出店場所はどのように見つけるのか等々。やらない理由はごまんとある。それ対するキッチンカーをはじめたいという思いは、「何か新しいことを0から作りたい」と「仲間たちとやったら楽しそうではないか」という思いだけだ。
このキッチンカーをやらない理由とやる理由を天秤にかけたとき、やらない理由に傾くのは明白である。
しかしキッチンカーをやりたい理由を論理的に並べることも可能だ。
キッチンカーを0から作り上げることによる、ビジネススキルの向上。地域社会とのかかわりを持つことによる、地域経済への貢献と精神衛生の向上。活動的に時間を過ごすことによる、生活満足度の向上等。
やらない理由はごまんとある。やる理由もごまんとは言わないがある。
なぜやらない理由はこうも出てきてしまうのか。理由付けには一種の慣性が働くと考えている。
現状のキッチンカーをやらない状態で時間が流れている場合、思考はキッチンカーをやらない状態を維持しようとする。そのためやらない状態を維持するために、理由がいくつも出てくる。
キッチンカーをやらない状態から、やる状態に持っていくためには大変な気力がいる。
やらなくてもいい。でもやる理由もある。
この慣性に打ち勝つための手段が、先行投資である。
キッチンカーの投資資金として最も大きい部分は、キッチンカーの車両であろう。
それなら車両を購入してしまって、強制的にキッチンカーをやる方向にもっていく。
事前のキッチンカーイベントのリサーチによって、トラック型とバン型があることはわかっていた。
バン型は座って作業しなければならず、作業性は悪い。よってハンバーガーのような工程を有する飲食物であれば、トラック型である必要がある。
また、トラックと言っても軽トラから、2tトラックまである。車検や車両保険、車両価格から考えるに、最小金額の投資となる軽トラで決まり。また、キッチンカーの中古や業者に組み立てをお願いする方法も考えられたが、最低金額でも150万~はする。コストの面と、0から作り上げるという意思から、軽トラだけ買って荷台に建屋をDIYするとした。
先行投資で軽トラを買うと決めたのが、2021年7月の中旬ごろ。8月初旬には会社が夏休みに入り、まとまった時間がとれる。ここで一気にキッチンカーを組み立てる計画だ。
中古車販売サイトで、軽トラの中古を調べると、下野にあるカン*自動車さんがヒットした。
ここは軽トラ専門販売業者さんで、メカニック兼社長が、ツナギを着た状態で対応してくれた。ご自身の技術で会社を営まれていて、かっこいい。
クラッチギア新品交換、バッテリ新品、塗装済み、タイヤ4輪履き替えかつスペアタイヤ付き、4WD、MT。車検がついて47万円で軽トラを購入した。
車検後手渡しで、翌週には車の引き渡しが可能とのことだった。
ディーラーで新車を買うのとは違う。カン*自動車さんが自社で車検、届け出を行うため、スピーディに納車が可能だ。
つづく。次は軽トラ納車編とその他検討中!