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2023/06/03 Sat
FUSEKIDO Ohyama wrote
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私が通っていた小学校には、ビオトープがあり小川と小さな丘があった。生物空間と訳されるのだが、当然教育な意味を持ち、ビオトープ内の生物が廊下やクラス内に掲示されている。
そこの小川にはメダカが生息していた。人工的な空間なので、メダカは購入してきて放流したものであろうが、メダカという生き物を初めて知ったのはこのビオトープであり、その小さいながらも魚の姿を呈して、優雅に泳ぐ姿に魅了されたものだ。
ある日そのビオトープにブラックバスが放流されてしまい、メダカが全滅したと大ニュースになった。
ブラックバスとはなにか。クラスにはブラックバスの写真が貼られ、まさに指名手配犯のような扱いを受けていた。ブラックバスはその旺盛な食欲から、既存の生態系を破壊するということを知った。
ビオトープにはメダカとカエル、それを捕食する鳥(白鷺)という生態系を成していた(白鷺を知ったのもこのビオトープであり、白鷺が来た時には教員たちも驚き、騒ぎになっていたのを覚えている)。小川を泳ぐメダカを見ては皆で歓喜したものだが、その小川には突如現れたブラックバスによって破壊された。おそらく誰かが放流したのだろう。ビオトープは完成後すぐに閉鎖となり、あれだけ児童を集めた学校肝いりの教育的スポットは影を潜めてしまった。
それからというもの、ブラックバスは外来種の忌み嫌われているものというイメージが刷り込まれていた。
しかし長野県野尻湖に関しては例外のようである。
野尻湖は大物のスモールマウスバスが釣れることで有名だ。スモールマウスがあるのであれば、ラージマウスバスというのもいる。だが、スモールバスの方が、引きが強くゲームフィッシングにおいては人気が高い。
また、スモールバスは綺麗な水を好むため、その自然環境の状態を知るためのインジケーターにもなっているという。
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ワカサギ釣りを提供しながら同時にバス釣りができるというのは、食うものと食われるものを釣り上げるということ。結局野尻湖の生態系を掌握するのはヒトということなのか。
バス釣り解禁期間の土日、野尻湖はバスを求めたヒトで、沿岸のみならず貸出ボートも全て出払うほどの活況だ。
バスは生態系破壊する厄介者ではなく、ここ野尻湖では貴重な観光資源なのである。
つづく。